釣月軒

音楽や俳句を考えます。記事の題名欄に拙句を載せています。

夕凪や水路を覗く子供達

良い本に巡り合うと生きていてよかったと思う。良い人に出会うと感動する。たまたま入った喫茶店でモーニングセットが豪華だったりして嬉しがったり、銭湯で湯船に浸かった途端その夜の計画が一気に頭に出来上がって喜んだり。何事にもそれぞれの味わい方があるのですねェ。


うは風に音なき麦を枕もと 蕪村

梅雨空やしずくのひとつ京の端

ものを考えるには歩きながらが良い、という話を色んなところで聞く。私はそれを忠実に守って、歩きまくって、歩くのが好きな人になった。しかし家の中で、狭い空間にどしぃと止まっているのも良い。今日は特にそのことを感じた。


取り逃す隣の声や行く蛍 太祇

近き屋根遠き屋根屋根夏の暮

無知というのは恐ろしい。私は高浜虚子をろくに知りもせずに、人の言葉を間に受けて軽視していたけれど、この人は凄い人だ。


遠山に日の当りたる枯野かな 虚子


能すみし面の衰へ暮の秋 同