釣月軒

音楽や俳句を考えます。記事の題名欄に拙句を載せています。

なまぬるき胃のあたりかな夏の雨

知り合いの坊さんは独身である。昔仕事場で出会った娘と付き合ったが、坊さんはやがて高い金を払って出家した。その時、坊さんは、おれは一生結婚しない方の坊さんになるから、お前さんは良い旦那さんを貰いなさい、と言って、娘は悲しがったそうな。坊さんはもう六十を越している。例の娘さんもそのくらいだと思われる。孫もいるのであろうか。その辺のことは知らない。



虹立ちて忽ち君の在る如し 虚子


にじたちてたちまちきみのあるごとし

猫の腹破りて暑し夏の蠅

暑い日である。

服部の町が、最近どうも合っている。一昨年は池田の駅前がぴったり来ていて、よく歩いた。


私にとって本物の 町 は都島である。あそこは素晴らしい。都島の朝焼けと夕焼け。深夜の道路をタクシーとファミマのトラックが走る様。珈琲店。銭湯。スーパー。インド料理屋。焼き鳥屋の煙。



暫時は瀧に籠るや夏の初 芭蕉


しばらくはたきにこもるやげのはじめ

春の宿人の声する畳かな

この句は先月初め、とある安ホテルに泊まった夜に作った。4階の狭い畳張り。一階で、外国人が大勢話していた。私は寝転んで風呂でも入るかなあとか思っていた。



あたたかな雨が降るなり枯れむぐら 子規



これほどの句の作者を間違えて記憶していました。この句の作者は虚子でなく子規でした。失礼致しました。